プログラミングを必修科目にするのはなぜ?を解説
あなたの身近なIT担当、ワクワクラボ大黒です。
2020年より小学校から必修科目になったプログラミングの授業。もう子どもたちは始めているようです。でも、親はこう思います。「なんでプログラミングを勉強しなければいけないの?全然ピンと来ない」って。そこのところをめっちゃ噛み砕いて解説します。
現状の社会をおさらい
今、大人たちが働いている会社は良くも悪くも「団塊世代が頑張って築いてきた世の中」である事は間違いない。その世の中はバブルも経験する中で「人と時間を大量投入することによって成り立たせてきた」世の中でもあります。マンパワーでなんとか解決していく。
それと並行して、機械化を勧めてきた世の中でもあります。大量生産のための機械化、危険な仕事回避のための機械化など。それによって職を失ってきた面もありますが、機械をメンテナンスするための職業が出来た面もあります。
ある意味「人で出来ないことを機械にやってもらう」側面が強かった。簡単な仕事については機械を購入するより人を雇ったほうが安く実現できるからそこに機械の入る余地はなかった。
これからの世の中はどうなっていくのか?
さて、そんな団塊世代の人たちが築いてきた世の中ですが、それを維持出来なくなってきました。
原因は「少子高齢化」。大きな原因の1つです。よく社会の授業で聞いていた「人口ピラミッドが逆ピラミッドになる」あれです。現代の社会では年齢に差はあれ一般的な会社には「定年制度」があります。この年齢になったらお仕事辞めてくださいね。です。
人口が多い団塊世代が抜けていくのに対して、新たに働き手となる18歳〜25歳の人数は少ない。1対1の関係ではなく、2対1や3対1の関係になってきます。超単純な話、新たに働き手となる人は今まで2〜3人がやっていた作業を1人でやらなければいけない超ブラックな環境が待っているのです。
流石にそんなブラックな事をやっていたら話にならないって事で大きく2つの改善策を考えています。
- 海外から移民を受け入れ、人口を維持する
- DXを推進してIT化を進めてコンピュータが処理する
今回、プログラミングを必修化したのは2つ目の改善策に関わる話です。
単純作業は人が要らない社会になる
人が減っていく世の中で会社の生産力・国の国力を維持・成長させて行くためには単純に「一人あたりの生産力を上げる」ことが必要になってきます。生産力を上げるためには誰でも出来ることをやるんじゃなくて、価値の高い仕事をする必要がある。ってことはこれまでやっていた「単純作業」は人がやるのではなく、コンピュータにやらせるって言う話になってきます。
ここで言う「単純作業」って言うのは一般的に言われることより高度な「マニュアル通りこなせば誰でも同じ成果が得られる」レベルの話です。そう、逆に言えばマニュアル化出来る作業であれば人が介在する必要がない世の中になっていく。マニュアル通りにする仕事はなくなっていく。
今、この社会の現状では単純作業についている人を辞めさせて・・・っていう話は現実的じゃない。日本は労働組合も強いから。でも、会社から見たら「勝手に(定年で)辞めていく」から、その人がやってた単純作業をどんどんシステム化出来る流れが出来ているのも事実です。
以前はコストパフォーマンスで人がやったほうが良いと判断されていたものもコンピュータの発達と人手不足によりコストパフォーマンスが改善していく。このあたりは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」って言いますがその話は別にしたいと思います。
単純作業がない会社をイメージしてみよう
単純作業が必要ないという事は、同じことを繰り返す仕事がなくなるっていうことでもあります。生産ラインで活躍する人が減る、事務職が減る。
一番影響を早く受けるのはいわゆる「庶務」と言われる方々が業務されている内容。会社から見ると「売れるもの」を直接的に生み出せない部門は真っ先に人が不要と判断してしまうでしょう。
単純作業がないって事は「その会社にとって売れるものを生み出せる何かの能力に長けてないといけない」って事です。
コンピュータが対応するが、それを作る人は必要
こんな感じでコンピュータがどんどん進出して来るのですが、現状ではコンピューターに命令する人は必要です。
コンピューターは言われたことしか出来ない
これも一つの事実です。なのでどれだけ的確にコンピュータに指示できるか?が1つのポイントになり、価値を生みます。
コンピュータに指示することを「プログラム」と良い、指示をまとめたものを作ることを「プログラミング」といいます。つまり、この仕事が出来る人を増やすために「プログラミング」が必修化となったのです。
まとめ
プログラミングの必修化の側面の1つとして、将来の働き口を用意する。という面もあることを理解していただけたでしょうか?もちろん、働き口という面だけでなく、ネット社会を見越した新しい価値を生み出す下支えという面もありますが、こちらは丁寧に説明する必要があると思うので別途解説します。